【事例】地域の会員制ファンクラブ|関ケ原ファンクラブ
「カードを渡すだけ」から始まり、6年続くファン作りに発展
地域のストーリーを活かした持続可能なファンクラブ構築[関ケ原観光協会様]
関ケ原ファンクラブは、関ケ原観光協会様が2019年12月に立ち上げた会員制のファンクラブです。
発足当初の企画としては、デジタル会員証と18枚のカード(武将札)の配布だけでした。そこから年々形を変え、現在は『架空軍の武将と対戦してポイントを獲得しながら町内の周回・リピート来訪に繋げる』企画に進化を遂げています。



1. 事例サマリー
| 課題 | 会員制の仕組みをつくって、何度も訪れる人を増やしたい。ただし現場の負担は増やせない。 |
| 施策 |
現場では、店頭やイベント会場で配る「武将札」を渡すだけ。かけはしcubeを活用し、無理のなコンテンツ・データ蓄積とゲーム性(称号・ポイント・ガチャ等)を融合させた会員施策を提案。 |
| 成果 | 発足から6年以上の運用(単発で終わらない仕組み化) 会員 7,000名突破(2026年9月時点) イベント参加者満足度 93%(関ケ原QR武将バトル2024) 店舗側のオペレーション負担は極力増やさない |
お客様|関ケ原観光協会様 開始|2019年12月 場所|岐阜県不破郡関ケ原町
2. 「会員名簿」を作るのではなく、現地へ足を運ぶ「動機」をつくる
関ケ原観光協会様からの最初のご相談は、「会員制ファンクラブを発足させたい」でした。
ファンクラブの仕組みを作るだけなら難しいことではありませんが、名簿に名前が登録されても、人が現地へ動く理由にはなりません。必要なのは、繰り返し足を運んでいただく「動機」でした。
そこでご提案したのが、武将の家紋を配したカード「武将札」です。
地域が持つ資産を「見える化」して、ファンが現地で何度も受け取りたくなる「動機」に変えて手渡す。そして、カードに印刷するQRコードに持続可能なしかけを忍ばせる。ここから関ケ原ファンクラブ様のファンづくりが始まりました。
・ 関ケ原が好きな人に、何度も来てほしい
・ 「安売り」ではない形で、地域ならではのファンクラブをつくりたい
・ まずは現場に負担をかけず、小さく始めたい

武将札 第一弾(全18種)。表に家紋と武将、裏に屏風の断片と会員サイトの入口と様々な特典配布機能を兼ねたQRコードを配しています。
3. 現場の運用:1枚の「武将札」から、自然にWeb会員へ
会員との最初の接点づくりは、徹底的にシンプルにしました。
観光協会様が運営する店舗での会計時やイベント会場などで「武将札(全18種)」を手渡す。現場の作業はこれだけです。手元に残るカードのQRコードを読み込むと、カフェや自宅など落ち着いたタイミングで自然にWeb会員登録が完了し、その場ですぐに最初の特典が手に入る仕組みになっています。
① 「手元に残したくなるカード」から、自然に会員登録へ導く
② 集めたくなる理由をつくる(カード自体の価値)
③ 1つのQRコードから、複数のデジタル体験を一括で届ける

8枚(6×3)の裏面がそろうと、屏風の全景が完成! 原画: 関ケ原合戦図屏風/歴史民俗学習館様 所蔵
現場の負担少なく「会員」になってもらう導線
店頭で行うのは、お買い物をされたお客様にカードを「1枚手渡すだけ」。その場でアプリダウンロードや会員登録を強いることはしません。落ち着いたタイミングで自主的に会員登録(QR読み取り)へ進んでもらえる無理のない導線をつくりました。最初のタッチポイントである「カード(武将札)」が、「なんとなく捨てにくく手元に取っておきたいもの」になっていることがポイントです。
カードそのものを集めたくする仕組み
カードの形をとることで、「デザイン性が高くあつめても楽しい」という、一見シンプルですが強力な動機を付与することができ、手がけられる施策の幅が一気に広がります。「地域ならではの楽しさを解りやすく表現できるコンテンツ」を模索していく中で出会ったのが、歴史民俗学習館様が所蔵する「関ケ原合戦図屏風」でした。活用の許可をいただき、カードの裏面を並べると1枚の屏風絵が完成する仕掛けにし、全18種類を第1弾から第3弾まで時期を分けて配布。コレクションしたくなる楽しさを生み出しました。
4. 1つのQRコードから広がる、かけはしcubeの「マルチ特典配布」
武将札に印刷されたQRコードを読み込むと、ファンクラブ入会と同時に「複数特典の一括配布が」行われます。
かけはしcubeは「ポイント」「称号」「スタンプ」「抽選券」「現地景品チケット」ほか、多彩な特典を自由に組み合わせて、1つのQRコードから一括配布できるのが特徴です。関ケ原ファンクラブでは、初回登録時に以下の4つを同時に付与しました。
[初回登録配布特典]
・初期称号(足軽)
・会員証用アバター(足軽)
・独自ポイント(石高・軍資金)
・デジタルスタンプ(18武将スタンプラリー:該当武将のスタンプ)
「会員登録」から「特典配布」の導線を個別に分けることなく1つのQRコードで完結させることで、現場にもユーザーにもストレスのない体験を実現しています。
5. 来た人が、また来たくなる理由をつくる
「単発の特典」ではなく、「関ケ原の登場人物になれる体験」を返す
会員になった方に何を提供すれば、何度も来たくなるのか。
単発のイベントとは異なり、継続的に何らかの特典やモチベーションとなる仕組みが必要です。ご提案をしたのが、単なるクーポンの配布ではない「関ケ原の登場人物になれる体験」でした。
一般的なポイントやランクの仕組みを「戦国世界観」の言葉に置き換えています。

・ランクアップで称号を獲得(ポイント:石高)
初期登録時には「足軽」からスタート。地域の周遊やイベント参加で石高が貯まるほど、「弓足軽⇒鉄砲足軽⇒侍大将・・・」と身分が上がり、Web会員証に飾れる限定アバターが手に入る。
・限定景品と交換(ポイント:軍資金)
貯めたポイントは、現地の交換所(観光協会様店頭)で、実際の陣跡で使われている幟(のぼり)など、ここでしか手に入らない地域限定グッズと交換できる。また、Webサイト内での限定Webコンテンツとも交換できる。
・日常の接点づくり(戦国富籤)
1日1回引けるおみくじで、現地にいない日もサイトを訪れる動機を作る。
6. 点から面への広がり
「カードを渡すだけ」という現場に負担をかけない運用でファンが増えていき、発足の翌年度に、関ケ原町内の店舗様や施設を巻き込んだ「地域全体で石高・軍資金を獲得できる町内周遊スタンプラリー企画」へと発展していきました。現在(2026年)では、「架空の敵 ”ケ軍” 」との対戦で、出現キャラによって獲得できる石高・軍資金が異なる「ガチャ要素を加えた企画」へと進化しています。
この展開の中で、作成・利用したコンテンツを使い捨てにしないために、デジタルならではのしかけでコンテンツの資産化も実現しています。
【ファンクラブ発足からのながれ】
2019年12月| 会員証と武将札18種でファンクラブを開始。第一弾から第三弾まで、時期を分けて配布
2020年~| 町内の店舗・施設をめぐる『ポイント獲得型周遊ラリー』に発展。「買ってスタンプ、巡ってスタンプ」の2本立て。あわせて、クーポンとスタンプごとにもらえる「お楽しみくじ」で武将イラストコレクションも配布。※クーポン配布は2020年度のみ

スポットのQRコードを読み取ると、スタンプに加えて石高・軍資金を獲得。石高でランクアップ&軍資金で景品交換
さらに、スタンプごとに獲得できる「お楽しみくじ」で特別コレクションガチャに挑戦!
2024年| 周遊ラリーに加え、関ケ原町主催のイベント内の企画として【関ケ原QR武将バトル2024】を実施(参加者満足度93%)
▶東西決戦!関ケ原QR武将バトル2024について
あらかじめ東西いずれかの軍に参戦し、会場内に設置された『討取りスポット』を探して敵を討ち取って自軍の勝利に貢献しよう!という対戦企画を展開しました。


2025年| 戦国武将札第2弾「ぷにっと武将札」全18枚を夏休みの始まりにあわせてリリース
2025年~| 従来のポイント獲得型周遊ラリーを「架空の敵 ”ケ軍” と対戦!関ケ原スマホポイントラリー」へと進化。『QRコードを読み取ると出現する敵軍キャラ』に応じてポイントが獲得できる対戦型へ。


2026年9月〜 | 対象施設で、会員であることを示すと受け取れる【ぷにっと武将札(周遊編)】を配布予定。武将札に印刷されたQRコードは、シーンや時間によってふるまいが変化する「貼りっぱなしQR」を採用
7. 作成したコンテンツは使い捨てにしない。「持続可能な資産」にする設計
一時的なイベントで作成した「コンテンツ」が、ずっと人を惹きつける「持続可能な資産」になる
紙のチラシや一時的な装飾物と違い、デジタルコンテンツは、「一度作れば劣化せず、追加のコストをかけずに何度でも届けられる」という大きな強みがあります。この特性を活かし、イベントで生まれた素材を使い捨てにしない設計が可能です。
周遊企画で生まれたデジタルコンテンツ
2020年・2021年の町内周遊ラリー企画でも、地域ならではの素材を探していたところ、岐阜県所有の「長野剛氏が描かれた戦国武将イラスト(全14種)」を活用できることが解りました。そこで、スタンプラリースポットのQRを1回読み取るごとに、会員マイページに「お楽しみくじ」を配布して、ガチャ形式でランダムにイラストを獲得できる仕組みを加えました。
次年度の2021年企画では、株式会社コミュニティネット様が所有される貴重な「戦国画像」をご提供していただき、「お楽しみクジ」で獲得できるようになりました。
長野剛氏 武将イラストコレクション(岐阜県所蔵)

スタンプごとに「お楽しみくじ」GET

あらかじめ設定した確率でガチャ駆動

ガチャで出たコンテンツをコレクション!
秘蔵コレクション(株式会社コミュニティネット様所蔵)

スタンプごとに「お楽しみクジ」GET

あらかじめ設定確率でガチャ駆動

ガチャで出たコンテンツをコレクション!
企画が終わっても、デジタルなら「常設の資産」にできる
普通のイベントであれば、コンテンツは期間終了とともに使われなくなってしまいますが、これらの魅力的なコンテンツは、スタンプラリー期間終了後の現在も、日常の周遊や戦国富籤で貯まる「軍資金(ポイント)」で交換できる「デジタルコレクション」としてマイページ内に常設され続けています。
昔のコンテンツも、新しく出会った人にとっては「新しい体験」
過去に制作したコンテンツであっても、今年新しく会員になった方にとっては、すべてが「今すぐ手に入れたい魅力的な新体験」です。優れた歌やドラマが世代を超えて愛され続けるように、私たちが大切にしているのは次の2つです。
1.「土地にすでにある魅力」を丁寧に見つけること
2. それをデジタル上で「ずっと使える良質な資産にすること」
単発のイベントで使い捨てにせず資産として積み上げていくことで、毎年莫大な制作費をかけ直すことなく、新しく訪れるファンを長年にわたって魅了し続ける「持続可能なファンづくり」を目指しています。
ご担当者様の声(関ケ原観光協会 ご担当者様)
店舗でお買い物をしてくださった方に「武将札」をお渡しするだけで会員が増えています。アプリではなく web で動作し、QRコードを読み込むだけでシステムが働くので、参加店舗様のオペレーションが少なくて助かります。
また、手作業で集計していた統計データなど、次回に活かせる情報が手間いらずな点もありがたいです。イベント毎の細かなルール設定・運営において、アナログな方法では処理できなかった事を気にすることなく取り込めるので、イベント内容が単調にならず奥行きが生まれています。
【関ケ原ファンクラブ】
会員サイト https://kakehashi-memory.jp/fan/sekigahara
説明サイト https://www.sekigahara1600.com/spot/funclub.html
戦国の題材でなくても、同じ仕組みで始められます
本事例は「戦国」がテーマですが、仕組み自体は題材を選びません。例えば岐阜県東白川村の事例では、ポイント名を石高ではなく「UMA」に変更し、地域の個性をそのまま活かしています。大切なのは、特別なアプリを作ることではありません。
「その土地ならではの資産」を見える化し、現場の誰もが扱える形にして持続可能なファンづくりにつなげることです。
そのきっかけとなる題材は、「今」あるものだけではなく、地域の「過去(歴史や文化)」の中に眠っているのかもしれません。
自社・自地域のアイデンティティを活かしたファンづくりを始めてみませんか?
大きな予算や複雑なアプリがなくても、地域のファンづくりは小さく始められます。
「うちの地域ならどんなストーリーが作れるだろう?」「単発イベントをファンクラブへ育てたい」という企画の初期段階から、伴走支援いたします。まずはお気軽にご相談ください。
私たちが大切にしていること
大きな予算や複雑なアプリがなくても、地域のファンづくりは始められます。
一、地域にしかない素材を見つけて、扱いやすい形で資産化
安売りのクーポンではなく、その土地にしかない物語を、誰もが扱いやすい形にして資産化します。関ケ原では、それが武将であり、屏風であり、すでにまとまって保有されていたコンテンツ(画像・イラスト)でした。
二、現場の手間を増やさない
現場は、配るだけ・貼るだけ。Webの仕掛けで企画を展開。現場の方が無理なく続けられることを、いちばん先に考えます。
三、小さく始めて、変えながら続ける
単発のイベントで終わらせず、一度つくった基盤の上で、毎年やり方を変えていける設計にします。